有限会社ラプトゥは、車の ボディコーティング　車の ルームクリーニング を得意とする総合メンテナンスショップです。

朝、誰かが車に・・・

十数年前の冬のある日、いつも作業を依頼していただける某ディーラーさんから

車内がくさいので何とかしてほしい・・・　と連絡がありました。

くさいだけでは状況がわかりませんので詳しく聞いてみると
女性オーナーさんが路上駐車しているときに鍵をかけ忘れひと晩外に停めていたら
朝、誰かが後部座席で寝ていたそうです、パニックになりながらもとりあえず
丁重に出ていってもらい、あまりの怖さにその場から急いで車を移動させたそうです。
しばらく走り落ち着きを取り戻したところで車内がくさいことに気がつき
気持が悪くなり車を購入したディーラーに駆け込んだ・・・とのこと。

さぞ怖かっただろうということは想像つきましたが、車の状態がまったく想像つきません・・・

とりあえず車を見に行きましたが、ちょうど担当者が不在で誰もどの車かわかりません
車の名前は聞いていましたので別の営業さんに告げると「これだ！」となり、その人が
近づいてドアを開けると「うっ！」と言ったままドアを閉めるのです・・・
私は「そんな大げさな」とドアを開けました・・・とても車内で息をすることができません
想像していたよりはるかに強敵です！一筋縄ではいきそうもありませんので
窓を全開にし泣く泣く引き上げてまいりました。

さて
いよいよ作業開始です、今回のポイントは臭いの除去とリアシートの黒ずみの除去の２点です。

１日目
臭いの素はすべての布地に染み込んでいますので外せるものはすべて外します
見事にカーペットも何もかも剥がされ鉄板が剥き出しの状態です。
その後、分解したプラスチックパーツ、シート、カーペット等すべて水で丸洗いします
プラスチック類は洗浄後、拭いて臭いを嗅ぎ臭いがなければ終了ですが
布関係はそうもいきません完全に乾燥させないと臭いが消えているかわからないのです。
シートの黒ずみも　たったひと晩でこんなになるのか・・・と思うほどに真っ黒です。

２日目
洗っておいたシートが若干湿っていましたが臭いを嗅いでみると
洗った水が溜まった角が強烈に臭います、昨日あれだけ洗って臭いも消えたのに・・・
汚れと臭いの成分が洗剤により分解され水に溶けていますので溶けた水が蒸発したり溶けた水が残った部分がまだ臭うのです、もう一度洗い直し今度は鼻を押し付けて臭いを嗅ぎます
そして体重をかけて中にある水分を入れ替えながら十分に追い出していきます、その後
また乾燥させます。（リンサーなど持ってない頃でしたので）

３日目
シートを乾燥させているあいだ、シートベルトや他の小物が乾いたのでまた臭いを嗅ぎます
この頃になると鼻がマヒしてきているので鼻をくっつけて思いっきり嗅ぎます。
その中で臭いの残っているものに出会うと思いっきり嗅いだ分きついのですが・・・

４日目
シートと乾かない小物以外を組み上げていきます。
いまだ臭いチェックは続いていますが、もう私たちの鼻は完全にマヒしています
そこで、来店した業者さんや常連さんに事情を話し嗅いでもらいます。

５日目
シートもその他の物も完全に乾き臭いもしません
全部組み上げたら念のため暖房を入れ強制乾燥させます。

６日目
最終仕上げをして作業完了です！
納車時、担当の方や他の営業さんメカニックにも匂いを嗅いでもらい
何も残ってないことを確認を確認後、無事終了しました。

臭いの記憶

このようなクリーニングの納車時、当社では全行程を写真にとりますそしてお客様に
お渡していただきます、なぜなら臭いというものは人間が記憶してしまうからです。
他の方のお墨付きをもらっても本人は何かのきっかけでなんとなく臭いがするような
気がしてしまうのです、私の自身も作業の期間中夜ご飯を食べていても布団に入っていても
なんとなく臭いがする気がしました
今回の場合は特に臭いの原因は汗や垢といった体臭ですので自分自身汗をかいても臭いを
思い出しました、黄色い雲のようなお化けが夢に出ましたし・・・
そのようなことの無いよう、ここまでバラバラにしてクリーニングしたのだから大丈夫！と
思っていただけるよう写真をお渡しするのです。
私にとって臭いを除去することは難しいことではありません、ましてお金を頂くのですから
完全に臭いを除去できて当たり前なのです。
車内のルームクリーニングとは、お客様がその後も安心して乗り続けていただけるようにする
それが本当の車内のルームクリーニングだと常に考えております。

その後